首の痛み・寝違え
首の痛みでお悩みですか。なかなか良くならない首の痛み、雨降り前になると痛くなる首の古傷、朝起きたら首が回らなくなったなど首のお悩みは様々です。
当院の首の痛み専門外来では、そんな患者さん一人ひとりの原因に合わせて治療プランを提案し、最速で楽になるように心がけています。首の痛みでお悩みの際は、お早めにご相談下さい。
首の痛みの原因は人それぞれ
首の痛みの原因は人それぞれ異なります。そして、原因は一つとは限りません。ほとんどの方は、首の痛みを引き起こす複数の原因が重なった結果、症状があらわれます。
痛みの原因として考えられるのは、交通事故等でのむちうち、またはその後遺症、デスクワークやスマーフォンの使いすぎでの慢性疲労、精神的ストレスによる自律神経の乱れや、手術、加齢によるホルモンバランスの変化、加齢にともなう頚椎、靭帯の変形などがあげられます。
当院では、このような複雑に絡み合った原因と影響を受けている体の組織を探し出し、治療をおこないます。
痛みの場所を細かく知る
首が痛いと感じる原因を解剖学の視点からご紹介します。首が痛いと言っても、筋肉であったり、関節であったりします。ここでは、からだの表面から順にご紹介します。
皮膚・皮下組織
痛みの始まりは、皮膚、皮下組織の緊張、冷え、乾燥から起こります。中には、湿疹など皮膚炎から痛みを引き起こす場合もあります。
皮膚は、表面からそれぞれ表皮、真皮、皮下組織の3つの組織にわかれていて、前述の通り、緊張や冷え、感想から硬くなり痛みを生じます。また、皮下組織は皮下脂肪層とも呼ばれ、むくみや、結合組織の繊維によってセルライトを形成し内部を圧迫し痛みの原因にもなります。
筋肉・筋膜
僧帽筋
僧帽筋は、首と背中をつなぐ範囲の広い筋肉になります。その始まりは、上部:頭蓋骨の後ろで骨の後ろの内側から1/3、中部:第7頚椎と第1~3胸椎の棘突起、下部:第4~12胸椎の棘突起(棘突起は背骨で触れる突起物)となります。ここから伸びた筋肉は、停止部として鎖骨の外側後面1/3、肩峰内側縁と肩甲棘上縁、肩甲棘内端にそれぞれつながります。
体を動かす時、筋肉は停止部を軸にして、起始部が動いていきますから、僧帽筋は、肩甲骨を引き上げたり、後ろで内側に引き寄せたり、舌に下がらないように抑制したりする作用があります。
頭板状筋
頭板状筋は、後頭下部に付着している筋肉のうちの最も外層にある筋肉で比較的大きな面積を誇る筋肉です。頭板状筋は、頚板状筋とともに主に首を後ろに反らしたり、首を真横に倒したり、左右に捻るといった動作などにいます。
頭板状筋は、第4頚椎~第3胸椎の棘突起より始まり、側頭部の乳様突起と後頭骨の上項線の外側半分に停止します。
頚板状筋
頚板状筋は頭板状筋のやや前方を走行し、頭頚部の後面にあり、首の後側面で筋腹に触れることが出来る筋肉です。
頚板状筋は後頭部に付着している筋肉のうち最も深層部にある筋肉で、頭板状筋とともに首を後ろに反らしたり、首を真横に倒したり、首を左右に捻るといった複合動作に関与しています。
頭半棘筋
頭半棘筋は、第4頚椎~第8胸椎の関節突起より始まり、後頭部の内側で停止します。この筋肉の走行からわかるように、頭や頚を反らしたり、頚をひねる動作をおこないます。
肩甲挙筋
肩甲挙筋は、第1頚椎~第4頚椎の横突起から始まり、肩甲骨上角と肩甲骨内側縁上部で停止します。
肩甲挙筋の働きは、肩甲骨を上にを引き挙げること、顔を横に向けることになります。一般的に肩や首が痛い人が「ここが痛い」と訴えることが多い場所です。
小後頭直筋・大後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋
深い場所に位置する小後頭直筋・大後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋、この4つの筋肉はかなり似ていて、それぞれ隣接していますが、第1頚椎、第2頚椎の真後ろから始まり、後頭部の後ろのやや外側で停止します。
4つの筋肉は、上を向いたり、首を傾げたり、横を向いたりする時に働きます。
骨・関節・靭帯
首の痛みの原因は、筋肉だけではありません。それは、骨であったり、関節であったり、靭帯であったりします。
首の痛みが筋肉以外の原因で引き起こされた場合、考えられるのは、胸郭出口症候群、むちうちやその後遺症、関節リウマチ、ヘルニア、頚椎症、頚椎環軸関節偽痛風、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症などがあげられます。
基礎疾患からの症状
注意しなければならない要因として、重大な基礎疾患があげられます。また、心筋梗塞やくも膜下出血の発作として首の痛みがあらわれることもあるので十分に除外診断しなければなりません。基礎疾患として、パーキンソン病や小脳変性症、脳卒中後遺症、椎骨動脈解離などが発覚した場合は、医療機関との治療を併用して当院の治療をおこなうことが必要です。
首の痛みの治療
鍼治療
首の痛みに対する治療のメインは鍼灸治療です。
鍼灸治療は、健康な人でも、首の痛みをお持ちの人でも、皮膚や筋肉の緊張として疲労は体にあらわれます。そのため、はじめに体の緊張をほぐすために電気治療をおこないます。電気治療は、低周波治療等があり、心地よい感覚になる治療法です。普段の疲れはこれだけで楽になり、体の余分な緊張が取れたことで、頭痛の治療対象となる原因部位が浮き出てきます。
電気治療のあとは本格的な治療に入ります。本格的な治療とは、頭痛同様に専門の鍼灸治療をおこないます。日本頭痛学会では、治療のガイドラインとして、鍼灸治療を推奨しています。首の痛みは、頭痛と切っても切れない関係性があるので、当院では、頭痛治療専門の鍼灸師が、担当させていただきます。
衝撃波(ショックウェーブ)
首の痛みは、鍼灸治療だけでも効果があります。しかしながら、鍼灸治療だかでは取り切れない部分が残ってしまうこともあります。そのため、しっかり効いて、ずっと楽な状態に整えるよう、できる限りの治療をおこないます。
患者さんの中には、デスクワークやスマートフォンの使いすぎで猫背やストレートネックを起こしている方が少なくありません。そのため、状態に合わせて、姿勢を矯正する整体を提案させていただくことがあります。
慢性的な首の痛みに苦しんでいる患者さんには、世界最新治療器具である「ショックウェーブ療法」をおこなうこともあります。ショックウェーブ療法の特徴である「安全に体の奥の固まった筋肉をほぐす」を活かして追加の治療をを提案します。
衝撃波を主とするショックウェーブ療法は、整形外科、美容外科、理学療法、スポーツ医学、泌尿器科、リハビリテーション、カイロプラクターおよび獣医学など、幅広い分野で取り入れられ、欧州、北米、南米、中東、アジアなど世界中で使用されている最新機器です。
ショックウェーブ療法は、筋筋膜・腱の疼痛緩和に即効性が高く、効率的な治療ができます。