殿様枕症候群の予防
目黒区頭痛専門の洗足院です。
『殿様枕症候群』という病気をご存知でしょうか?
今回は枕にまつわる最近注目の病気についてご紹介します。
先日、テレビ番組でも取り上げられていましたが、『 殿様枕症候群』という病気があります。
病名の由来は、高い枕を使っていると、脳卒中の原因の一つである、「特発性椎骨動脈解離」の発症リスクが高まる事が国立循環器病研究センターの研究チームから発表され、一般の方々に認知されやすいようインパクトのある俗名をつけたことです。
そのため、首への負担が大きな原因と考えられ、「殿様枕症候群」と名付けて注意を呼びかけています。
特発性椎骨動脈解離は首の後ろの椎骨動脈が裂けてしまう病気のうち原因不明のタイプを指し、15~45歳の若い世代では脳卒中の8~10%の原因とされています。
脳卒中とは、脳梗塞やくも膜下出血のことで、特発性椎骨動脈解離では、血管が裂けた状態になることで、破裂するとくも膜下出血などを起こし、重篤になる場合もあります。
最近では、よしもと芸人千鳥のノブさんや、ダイアンのユースケさんが同じ病気で治療を受けました。
この病気の研究では
枕の高さが、頭を乗せない時で
12センチ以上を「高い」
15センチ以上を「極端に高い」
として、上記の枕を使用している方の発症リスクは
・高い枕の使用率は「34%(18人)対15%(8人)」で約2倍
・極端に高い枕では「17%(9人)対2%(1人)」で約9倍
と報告されています。
枕が高いほど発症割合が高く、枕が硬いほど発症との関連が強くなる傾向もあったと報告されました。
極端に高い枕を使っていた患者の中には、スマートフォンやテレビを見る目的などで枕を複数重ねたり、巻いた布団で代用したりしていたケースがあったとの事です。
殿様枕症候群に由来する殿様枕とは、江戸時代に、お殿様が使用していた枕(箱枕)で、庶民の間でも髪型を維持するのに有効とされ流通していました。箱枕と使用中のイメージはこちら↓
殿様枕症候群になりやすくなった姿勢をイメージする画像としては、浮世絵にある東洲斎写楽の歌舞伎「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」をモチーフにした作品です。
また、1800年代の複数の随筆に「寿命三寸楽四寸」という言葉がありました。
これは「12cm程度の高い枕は髪型が崩れず楽だが、9cm程度が早死にしなくて済む」
という意味で、当時の人々は高い枕と脳卒中との隠れた関連性を認識していたのかもしれません。
さて、ではどうすれば特発性椎骨動脈解離を予防できるのか?
まずは枕を低くすることですよね。でもそれだけでは足りません。なぜなら、現代ではスマートフォンを使用する機会が多く、猫背、最近ではスマホ首とも呼ばれる首に負担のかかる姿勢を長時間行わないことが挙げられます。
殿様枕症候群の予防治療
当院では、殿様枕症候群の治療として、鍼灸治療やショックウェーブ療法、姿勢矯正をおこないます。
まず鍼灸治療やショックウェーブで首から背中の筋肉や筋肉、筋膜、関節を柔らかくし、姿勢矯正で正しい姿勢に戻るよう調節します。
筋肉、筋膜、関節をを柔らかくすることで、正しい姿勢に誘導できるということは、自然と枕が低いほうが体が楽に感じます。
最近、頭痛がひどい、姿勢が悪くなった、目がかすみやすいなどの症状に気がついたら、お気軽にご相談ください。