頭痛

高血圧が原因の頭痛

高血圧の頭痛
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朝起きた時や、仕事中に突然の頭痛を感じたことはありませんか?その頭痛は高血圧が原因かもしれません。

頭痛の種類によっては、放置すると脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気を引き起こすリスクもあります。

高血圧の基準

そもそも血圧が高いと診断される基準はどのくらいでしょう?
ほとんどの方が、健康診断等である程度把握していると思いますが、一度おさらいしましょう。

血圧の基準は、ここ20年ほどでも何度か変更されています。現在では、日本高血圧学会の高血圧診断基準の通りで、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。また自宅で測る家庭血圧の場合は、下表のように診察室よりも低い基準が用いられます。

診察室血圧家庭血圧
正常血圧<120 かつ <80<115 かつ <75
高血圧140 かつ/または 90135 かつ/または 85
成人における血圧値の分類(mmHg)

頭痛を引き起こすメカニズム

高血圧になると、血管に常に高い圧力がかかり続けます。健康な血管は弾力性があり、ある程度の圧力変化にも柔軟な対応が可能です。しかし、高血圧の状態が続くと血管は徐々に柔軟性を失い、硬くもろくなります。この状態になると血管はちょっとした刺激でも損傷し、炎症が起こって周囲の神経を刺激し、頭痛を引き起こすと考えられています。

さらに、高血圧は動脈硬化を促進する原因の一つです。動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールなどが溜まって血管が狭くなったり、硬くなったりする状態です。動脈硬化が進むと血管はさらに弾力性を失い、破れやすくなります。高血圧は血管にさまざまな悪影響を及ぼし、頭痛を引き起こす可能性があるのです。

高血圧がもたらす2つの頭痛

高血圧によって引き起こされる頭痛は、大きく分けて2つのタイプに分けられます。

高血圧が原因の頭痛の種類
  • 急激な血圧の上昇
  • 動脈硬化

一つは「急激な血圧の上昇」によって起こる頭痛です。激しい運動や冬の浴室などの温度差、強いストレスを感じた時に、一時的に血圧が急上昇することで起こります。後頭部を中心にズキンズキンと脈打つような痛みを感じることが多く、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

もう一つは「動脈硬化」によって引き起こされる頭痛です。動脈硬化が進むと、脳内の血管も硬くなって血液の流れが悪くなり、脳に十分な酸素や栄養が行き渡らずに頭痛を引き起こすと考えられています。

高血圧頭痛の特徴

高血圧による頭痛は、いくつかの特徴的な症状が見られます。

  • 痛む場所: 後頭部を中心とした痛みが多いです。後頭部に血圧を調整する神経が集中しているためと考えられます。
  • 痛みの種類: ズキンズキンと脈打つような痛みや、頭全体を締め付けられるような重苦しい痛みなど、人によって感じ方が異なります。
  • 痛む時間帯: 朝起きたときや、興奮したり緊張したりしたときに痛みが強くなる傾向があります。朝は血圧が上がりやすく、興奮や緊張によっても血圧が上昇するためです。
  • 症状: 吐き気や嘔吐を伴う場合があります。急激な血圧の上昇によって自律神経が乱れるためです。ひどい場合には、意識がもうろうとしたり、手足がしびれたりする危険性もあります。高血圧によって脳の血管が痙攣を起こし、一時的に血液の流れが悪くなるためと考えられます。

高血圧の自覚症状

頭痛を引き起こす高血圧ですが、そもそも高血圧の状態に陥るとどのような症状があるでしょうか。

高血圧の自覚症状として多い症状は、肩こり、頭痛、吐き気です。また、初期症状として、めまい、息切れ、動悸、手足のしびれ、冷えを感じることが多いです。

肩こり

高血圧の肩こり

高血圧になると、血管が収縮し血液の流れが悪くなります。筋肉や神経に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、肩こりを引き起こしやすくなるという背景です。

高血圧によって交感神経が優位になることも、肩こりの原因の一つです。交感神経は、体が緊張状態のときに働く神経です。交感神経が優位になると、筋肉が緊張しやすくなり、肩こりが起こりやすくなります。高血圧が原因の肩こりは、一般的に感じる肩こりと比べて、強い痛みが長引く傾向です。

ただ、年齢層を若い世代まで入れると、仕事のストレスで交感神経が過緊張になり肩こりがあらわれ、高血圧の状態を引き起こしてしまう流れも少なくありません。

吐き気

高血圧の吐き気

高血圧は、吐き気を引き起こすこともあります。自律神経が乱れることが原因です。自律神経は、体温調節や消化活動など、意識しなくても体が正常に機能するために、24時間休まず働いているシステムです。高血圧になると、自律神経のバランスが崩れ、吐き気や嘔吐などの症状が現れることがあります。

吐き気だけでなく、めまいやふらつき、冷や汗、顔面蒼白といった症状が同時に現れることも。何かしらの症状が現れた場合は、高血圧が原因で起こる脳の血流障害である「脳血管攣縮」の前兆である可能性も考えられます。

めまい

高血圧のめまい

高血圧によってめまいが起きる原因は、自律神経の乱れや脳、内耳の血流不足などが考えられます。高血圧になると、自律神経のバランスが崩れやすくなり、めまいを引き起こすことがあります。一時的に脳への血流が不足することもめまいの原因となります。

高血圧によるめまいは、目の前が暗くなったりふらついたりする症状が特徴です。朝、布団から急に起き上がった際にクラッとするようなめまいを感じたら、高血圧が関係しているかもしれません。回転性のめまいや耳鳴りを伴う場合は、高血圧による内耳の浮腫も想定されるので早期の治療が必要となります。

息切れ

高血圧によって心臓に負担がかかると、息切れが起こりやすくなります。少し早歩きをしただけで息苦しくなったり、階段の上り下りで呼吸が苦しくなったりする場合は、高血圧が原因かもしれません。安静時や睡眠時に息苦しさを感じる場合は、心臓の機能が低下している可能性もあるため、速やかに医療機関を受診しましょう。

動悸

高血圧の息切れ動悸

健康な状態でも、緊張するときや激しい運動をした後には、誰でも動悸を感じます。しかし、高血圧によって心臓に負担がかかると、安静時でもドキドキと心臓が速く打つ動悸を感じるようになります。

心臓が全身に血液を送り出すために、より強い力で拍動しなければならなくなっているためです。ストレスや疲労、睡眠不足などによっても動悸は起こるため、高血圧との関連を見極めることが重要です。

手足のしびれ、冷え

高血圧の手足のしびれ冷え

高血圧の状態が長く続くと、血管が硬く狭くなってしまい、血液の流れが悪くなります。結果、手足の末端まで十分な血液が行き渡らなくなり、しびれや冷感を感じることがあります。特に体の左右どちらか一方の手足だけに症状が現れる場合は、脳梗塞などのリスクが高まっている可能性もあるため、注意が必要です。

高血圧と頭痛の治療

高血圧を予防するには、ストレスを溜め込まないこと、ストレス解消法をすること、規則正しい生活を送り、十分な睡眠をとることですが、なかなかできない人が多いと思います。そんな時は、頭痛、血圧、自律神経に特化した治療をおこなうと効果的です。

高血圧の自覚症状には、自律神経のバランスも大きく影響しています。もともと日本人の生真面目な性格上、交感神経が過緊張の状態にあることが多く、日頃から自律神経のバランスを整えるメンテナンスをおこなうことで、高血圧とともに自覚症状を抑制することができます。

鍼灸治療

目黒区頭痛外来

頭痛、自律神経を専門におこなっている当院の治療では、鍼灸治療を主な治療法に取り入れることが多いです。鍼灸治療は、痛みに対して、以下のような3つの作用があります。

  • オピオイド受容体を介した末梢性鎮痛
  • ゲートコントロールを伴う脊髄性鎮痛
  • 下行性疼痛抑制系等による脳性鎮痛

上記のように、鍼灸治療によって、鍼をした局所、そして、脊髄、脳で反応し効果があらわれます。

また、次も少し難しい単語ばかりですが、

  • Ia、Ib抑制を介した筋緊張の緩和
  • 局所、または全身の血流改善
  • 角化細胞を介した免疫・内分泌調整

といった効果によって肩こりや体の緊張、高血圧を改善することができます。極めつけは、

  • セロトニン
  • ノルアドレナリン
  • ドーパミン

といった脳で反応することにより、脳から出るホルモンを放出することができ、体の健康な状態を維持しやすくなります。

鍼灸治療を経験したことのない人は、痛そうとか、怖いとか嫌なイメージがある人も少なくありません。しかし、鍼は、注射で薬を入れる目的と違い、いかに痛くなく、かつ効果があるように施術できるかを追求している医学なので心配する必要はありません。

当院では、ほとんど痛みを感じない 最新の『無痛鍼(むつうばり)』 をおこなっていますので、小さいお子様から鍼に良いイメージを持っていない大人まで安心して治療を受けて頂けます。

最近、血圧が高い、肩こりや頭痛をよく感じる、めまいや動悸がするなど自覚症状を感じたら、お気軽にご相談ください。

ABOUT ME
院長 久保寺
頭痛や神経痛の治療に強い目黒区保健メディカル洗足院です。このブログでは、頭痛などのお悩みに関する情報を発信していきます。
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