頭痛によく効くカロナールが効かない
皆様あけましておめでとうございます。
目黒区、頭痛専門の洗足院です。
年始めの情報発信は、頭痛薬のお話です。
皆さんの中には、以前、頭痛で薬を飲んだことがある方がいると思います。
最近はインフルエンザの流行に伴い、タミフルやリレンザと一緒に飲む場合もあります。
この頭痛薬には、
- ロキソニン
- バファリン
- イブ
- ノーシン
などが市販薬としてあると思います。
基本的には同じ頭痛薬ですが、効果があらわれる作用機序が違い、例えば
ロキソニンは
解熱鎮痛成分[ロキソプロフェンナトリウム水和物]が、痛みや熱の原因物質(プロスタグランジン)をすばやくおさえ、すぐれた鎮痛効果・解熱効果を発揮します。第一三共ヘルスケア
イブAは
イブA錠は、痛みや発熱のもと(プロスタグランジンの生成)を抑制する鎮痛成分イブプロフェンを配合。
さらに鎮痛成分の効果を高める成分を2種類配合(※1, ※2)することで、腰痛、肩こり痛、咽喉痛、頭痛など、さまざまな痛みによく効きます。
※1:アリルイソプロピルアセチル尿素:痛みに関する感受性を抑えることで、イブプロフェンの鎮痛作用を助ける成分。
※2:無水カフェイン:脳血管の拡張を抑え、イブプロフェンの鎮痛効果を助けます。エスエス製薬
と薬のターゲットと目的が異なってきます。
頭痛患者さんは、今までなんとなく頭痛薬を飲んでいたかもしれませんが、医療機関で頭痛と診断され、処方する時には目的を持って薬を選んでいます。
ただ、患者さんの状態によっては、合う合わない、効く効かないがあり、何種類かを試さなければならないときもあります。中には、どれを飲んでも効かないという患者さんもいます。
今回のタイトルになっているカロナールですが、ちょうど新型コロナウイルスが流行した頃から知名度が上がった薬で、新型コロナに薬がないということで、とにかく熱だけでも下げないとという目的もあり処方されやすくなった薬です。
ちなみにカロナールの作用は、
カロナールは
解熱鎮痛成分「アセトアミノフェン」が、中枢神経に速やかに作用し、頭痛や発熱にすぐれた効果を発揮。
胃にやさしく、眠くなる成分※も含まないため、仕事中や外出中など、タイミングを気にせず服用いただけます。第一三共ヘルスケア
と紹介されています。ここで成分をよく見てみると、解熱鎮痛成分は、薬局で販売しているノーシンに入っている成分です。
ノーシンの作用は
・アセトアミノフェン
中枢に作用して痛みや熱を速くおさえます。
・エテンザミド
アセトアミノフェンと協力して、痛みや熱をおさえます。
・カフェイン水和物
アセトアミノフェン、エテンザミドの痛みをおさえる働きを助け、頭痛をやわらげます。株式会社アラクス
薬の不思議なところは、薬の成分と商品名が異なる場合があることです。
ここからが本題です。
頭痛によく効くカロナールが効かないとは
頭痛によく効くカロナールが効かないとはどういうことかといいますと、頭痛に効くけど効かない人、そして半分効く時もある人、そもそも効かない人などがあることです。かなりわかりにくいと思いますが、まず、
頭痛薬が効くけど効かない人
頭痛薬が効くけど効かない人は、一番多いケースですが、頭痛患者さん自身が、さまざまなストレスや疲労の末に頭痛を引き起こしているわけで、体が緊張状態にあります。そんな状態で、口から薬を飲んだとしても、なかなか頭痛部位まで薬が届きにくい状態、薬が効くのに時間がかかる、そして効果が出る前に薬が体外に排出されてしまうことが少なくありません。
頭痛薬が半分効く時もある人
頭痛薬が半分効く時もある人とは、混合性頭痛などにみられる状態です。頭痛の原因が一つではないので、半分効く時もあれば、やっぱり効かないということもあります。その時のタイミングでどのタイプの頭痛なのか、薬が的を射てれば効果があります。
頭痛薬が効かない人
そもそも頭痛薬が効かない人とは、上記の混合性頭痛に正解があります。頭痛薬と現在の頭痛の原因が異なれば効くわけではありません。人によっては、頭痛ではなく、神経痛であったり、帯状疱疹であったり、首のヘルニアであったりするわけで、患者さんによっては、主観的な解釈、表現が異なります。そのため、治療家は、客観的にどの頭痛なのか判断してから治療方針を決めなければなりません。
万能な頭痛治療とは
そして、ここで解釈によっては限りなく万能に近づける治療法もあります。それが、頭痛専門の鍼灸治療です。
鍼灸治療は、治療効果が術者の技術によって変化してしまいます。それは、薬のように効果と処方分量が決められておらず、その時の判断と技術でどのような頭痛にも対応しやすいからです。
鍼灸治療は、刺激方法、刺激量、ツボの選定、東洋医学または現代医療的な考え方、アプローチの違いによって何パターンも治療方法があります。
頭痛治療の場合、単純に痛む場所の頭に鍼を刺す場合(局所治療)もあれば、手の合谷というツボに鍼を刺して治療する場合(中医学的治療)もあります。その他、膝の外側あたりにある陽陵泉というツボでは、筋会穴という緊張した全身の筋肉の緊張を和らげるという中医学的な考え方と、寝た状態で筋肉に鍼を刺すことで交感神経の緊張を抑制させるという現代医療的な考え方の治療をすることもあります。
長年、頭痛薬を飲んでいてもなかなか良くならない、そんな頭痛持ちの方は一度、頭痛専門の鍼灸治療をお試しください。