都会の睡眠難民にご提供する睡眠ホルモン「メラトニン」をつくる最も簡単な方法
みなさんこんにちは!
目黒区頭痛専門治療院 洗足院です。
本日は、人生の3分の1を占めている睡眠のお話です。
みなさんは最近、ぐっすり眠れていますか?
実は、特に新型コロナ流行による生活習慣の変化があってから、未だに眠れないなど睡眠に悩む人が急増しています。特に首都圏では、それが顕著になっています。
眠れない原因としてあげられているのが
- メラトニンが分泌されない
- 交感神経の高まりが鎮まらない
となります。
眠れない、いわゆる睡眠障害が近年問題になっていて、厚生労働省では、2025年9月4日、医道審議会医道分科会診療科名標榜部会を17年ぶりに開催し、政令で定める「標榜可能な診療科名」に「睡眠障害」を追加することについて検討を始めた。との発表もされました。
まず、基礎知識として、メラトニンとはなんぞや?というところからですね。
メラトニンとは、別名「睡眠ホルモン」ともいわれていて、脳にある松果体という部分から分泌されます。
一般的に、睡眠の質を高める、眠りやすくする条件として、メラトニンがしっかり分泌しているかということです。このメラトニンですが、直接サプリメントのような形としては摂取できません。そして、体内でのメラトニンの生成過程は、
トリプトファン → セロトニン → メラトニン
となっているため、サプリメントではトリプトファンの摂取が話題となっています。
では、睡眠に悩んでいる人は、トリプトファンを摂取したほうがいいのか?というと、それだけでは睡眠の質は改善されません。
ここで重要なポイントが交感神経です。
睡眠の質を上げるために必要なことは、まず、交感神経の働きを落ち着かせてあげることです。
交感神経とは、自律神経のうちの一つで、昼間活動するときに積極的に働いてくれる神経です。しかし、この神経の働きが活発になりすぎてしまい、夜寝る時間になっても落ち着かないことがしっかり眠れない、寝付きが悪くなる大きな原因となります。もちろん、メラトニンが分泌してくれることも必要ですが、この交感神経の働きを何とかしないことには、体が寝るためにうまく働いてくれません。
当院では、頭痛専門の治療院として診療していますが、この頭痛に大きく関わるのも交感神経となります。交感神経の働きが高いままだと、体、筋肉が緊張したままで、リラックスして眠ることもできません。
「眠れない」ことにスポットを当てると、当院の頭痛治療は、「眠れない」に対しても効果を発揮してくれます。
治療のポイントは、
- メラトニンを分泌させる
- セロトニンを分泌させる
- 交感神経の興奮を抑制させる
ことに重点を置くことが可能なんです。
近年の研究結果では、
- 2004年 不眠症を訴える患者に鍼灸の治療を施術するカナダの研究
18名の不安障害を持ち不眠症を訴える患者に5週間の鍼灸治療の結果、睡眠ホルモンとして知られるメラトニンの分泌、睡眠時間、睡眠の質に大幅な改善 - 2007年 心身医学的な病態に対する鍼灸治療の効果と脳報酬系に及ぼす影響
鍼刺激および灸刺激によるモノアミン量とその代謝産物量を測定した.その結果,鍼刺激および灸刺激は,側坐核のセロトニン分泌を高めることが示唆された - 2001年 西條一止、熊澤孝朗監修:鍼灸臨床の科学
鍼を筋硬結部で刺激した結果、交感神経活動の抑制、すなわち交感神経バイアスの関与が考えられ鍼刺激前後では明らかに硬さを表す値が小さくなった。 - 2001年 黒野:心拍出量および筋交感神経活動に及ぼす鍼通電刺激の影響
マイクロニューログラムによる筋交感神経活動の観察では、鍼刺激は筋交感神経活動を抑制する。
以上のような治療効果が判明しました。これだけではありませんが、当院でも、研究結果をもとに、「眠れない」から「ぐっすり眠れた」を体感していただける治療プランをご提案しています。
さて、ここからは、自宅でできるメラトニン分泌をうながすセルフケアのご紹介です。
PRESIDENT online に掲載された内容
夜眠れないあなたにぐっすり快眠をもたらす睡眠ホルモン「メラトニン」をつくる至って簡単な”スマホ習慣”
ですが、記事によると、四六時中スマホばかり見ていることで、ぐっすり眠れないという人が増えている。医師で脳生理学者の有田秀穂氏は「現代人は心地よい眠りへと導いてくれる脳内物質『メラトニン』の分泌が減っていることが問題だ。しかし、就寝前2時間の工夫をすればメラトニンは増やせる」ということです。
そして、網膜に太陽光が当たっている昼間には、メラトニンの合成ができないように抑制がかけられている、また、大事な点は、「太陽が出ている昼間にはメラトニンは作られない」ということと、カーテンを閉めて部屋を暗くしてもメラトニンは増えないということです。
夕方以降に作られるメラトニンは、ベッドに入って目を閉じると、松果体からホルモンとして血液に分泌され、それに合わせて、自律神経も交感神経から副交感神経に切り替わることが一般的な機能です。

しかし、睡眠に必要なメラトニンは光によって調節されているので、例えば夜中に強い光の中にいると、体内時計の働きが乱れてメラトニンの分泌が抑えられてしまい、睡眠覚醒のリズムが乱れる原因になります。
では、どうすればいいのか、単純に言えば、「夜寝る前の2時間だけはデジタル機器を使わこと」となります。
パソコンやスマホの画面からのブルーライトが、夕方以後に合成されるメラトニンを抑制させるからです。朝から夕食までは使い放題で構わないので、夕食以降に避けることを守っていただければ、視床下部から松果体へのダメージを与えず、メラトニンが分泌されやすくなるのです。

本日のお話をまとめると、睡眠の質を高める効果的な方法は、
- 寝る前の2時間はスマホ等を極力触らない
- 睡眠専門の治療を受ける
この2つができると、メラトニンも、セロトニンも分泌されやすくなり、かつ、自律神経の働きを正常化させ、質の高い睡眠を手に入れることができます。
最近寝付きが悪い、眠れない、朝起きてもスッキリしないなど睡眠障害のお悩みはご相談ください。患者様に合わせて、最適な治療プランをご提案、ご提供いたします。

